集客する?

2020年6月6日

開業当初ってどうやって集客するの?

開業して、どうやってお客様を獲得しようかと考えると、まずは紹介が思い浮かびます。それで、支部の先輩、司法書士さん、社会保険労務士さんなどの士業の方々にご挨拶でしょうか。

でも、残念ながらほとんどが相手にされません。まぁ、興味本位でお会いしてくれる人もいらっしゃいますが、総じて皆さん忙しいですから、いちいち開業した行政書士に会う時間もないでしょうしね。

極端ですけど、ある士業さんは名刺すら受け取ってくれなかったのを覚えています。
まぁ、それは当たり前といえば当たり前ですけどね。だって、その士業さんにとって、新人行政書士と付き合ったところで、何のメリットもないのですから。
開業したからと勝手に押しかけても迷惑なだけです。

ただ、そうは言っても同じ支部の行政書士の先輩の方々には、きちんと顔と名をお知らせしておきましょう。開業当初に事務所訪問して仲良くしてもらい、実務で分からない時に聞けるのは非常に心強いですからね。それに行政書士になったのに、同じ地域の同業者を誰も知らないと寂しいものです。開業すればライバルと言えども、そこはきちんと「開業しました」ってお知らせしておくと、あとで良いことがあるかもしれません。

では、他の士業さんから相手にされず、紹介が難しそうな場合、開業当初はどうやって集客するかというと、間違いなくホームページからです。

ホームページの場合、お客様がGoogleやYahoo!の検索ボックスに悩み事を入力して、検索で見つけてもらえれば、わざわざお客様の方から閲覧してくれるのです。

そこで自己紹介などを読んだお客様の胸に刺さるような文章があれば、もしかしたら共感してもらえてお問い合わせをくれるかもしれません。名刺さえ受け取ってもらえない相手に無理に愛想を振りまいたり、また、見当違いな飛び込み営業をするよりも、よっぽど良いかと思います。

お金を使わずに依頼だけがほしい

もしあなたが新人行政書士さんから次のような相談をされたら何て答えますか?

「お金が無いんです。だからお金を使わずに月に2、3件の依頼がほしい」

なかなか難しい相談ですよね。
もちろん、このような発言をするからには真剣です。しかも必死です。でも、傍から聞いたら、とてもじゃないけどビジネスに向いていない、ましてや個人事業には向いていないと思いませんか?

実際にこのような発言をする行政書士さんは実際にいらっしゃいます。もちろん、行政書士になる前は、こんなことを考えたりはしていなかったと思います。普通に考えて、お金を使わずに依頼だけもらえたら、そんな楽なビジネスはないし、もしそんな方法があれば、世の起業家が行政書士にわんさか参入してきます。

このような発言をしてしまうの多く方は実務のセミナーばかりに一生懸命に参加して、集客の重要性をあまり認識していない傾向があります。そのため数年間依頼が全くなく、正直に言葉が出てしまうだけなのです。
決してご本人がふざけているわけではなく、依頼がないために金銭的な余裕と気持ちの余裕がなくなり、そして追い込まれる結果なのです。

ですので「お金は使わずに」とは考えずに「集客にはお金がかかる」と心して下さい。広告、宣伝にはお金がかかります。事務所の宣伝もせずに、見知らぬ誰かがあなたのことを一生懸命探してくれることはないのです。宣伝しないと誰も振り向いてもくれません。広告、宣伝、いやビジネスにはお金がかかるのです。

実務ばかり気にしていませんか?

開業すると、まず最初に思うのが「実務がわからない」です。「電話が来ても上手く答えられない」とかでしょうか。

でも、待ってください。その電話、どうやってかかってくるのでしょうか?集客しないとかかってこないですよね。私の知る新人行政書士さんの多くは、実務のことばかり気にしていました。でも、お問い合わせがないと、実務が役に立つことはありません。

もちろん実務を覚えることは重要です。お問い合わせの時に正しく答えられないといけないし、依頼があってから「わからない」では時間ばかりかかってしまいますからね。依頼してくるほとんどの方は「急ぎ」ですしね。

正直、実務と集客、どっちが先かと言えば、考えれば考えるほど悩ましいです。両方同時にするのもなかなか厳しいですし、本当に困りますよね。では、どうするかというと、最初は割り切って「集客」から始めてみませんか?

繰り返しますが、いくら実務を覚えても、お問い合わせすらないと、そのうち書籍やセミナーで覚えた実務は直ぐに忘れてしまいますからね。実務は自分で経験すれば体に染みますが、所詮セミナーで習ったとか書籍を読んだぐらいでは、直ぐに忘れてしまいます。

ですので、不安もあるでしょうが、ここは割り切って「集客」を本気で実践してみてください。「本気」でですよ。

士業の開業塾などに入れば集客できる?

行政書士は、どこかの事務所に就職するか、自分で行政書士法人を立ち上げなければ、あくまで個人事業主です。でも、その意識が芽生えるのって開業してから結構あとなんですよね。自分もそうだったから良く分かります。

そこで考えるのが、よくある「士業」の開業塾に入ること。

インターネットで検索すると全国に結構あります。有名なのからそうでないものまで色々。もちろん入会して集客できて食える事務所になるかもしれませんし、まったく集客できず、会費だけ毎月取られて、もはや風前の灯火になるかもしれません。

先日、ある士業の開業塾に3年間入っているけど、その間1件しか依頼がなかったという方もいらっしゃいました。では、この方のように開業塾は駄目かというとそうではありません。

この方の話をまとめると「塾でお客様の獲得方法をアドバイスしてくれるはずだった」とか「塾にお金をはらって作成してもらったホームページから全く依頼がなかった」ということで、結局、大方他人のせいにしている傾向がありました。

いくら開業塾で有益なアドバイスをあれこれしても、結局はご自身がやるしかありません。私の私見では、この人に限らず、誰かがやってくれると考えている人は、自営業には向いていないということです。
どんなに有益な開業塾でも、ご自身がやらなければ、お問い合わせすらありません。それは開業塾のせいではありません。

自営業(行政書士)には向いていないと思われる思考、言動

  1. 自分では何もしない
  2. 人からの紹介を待っている
  3. なんでも他人のせいにする
  4. 開業しさえすれば直ぐに儲かると思っている
  5. 資格があれば食えると思っている
  6. 開業塾には入会したら、直ぐに依頼がもらえると考えている(依頼の保証を求めてくる)
  7. ホームページを公開したら直ぐに依頼がもらえると考えている
  8. マーケティングを習得しない
  9. マーケティングを学んだら直ぐに依頼がもらえると考えている
  10. 開業本ばかり読んで他人を羨む
  11. 行政書士の資格だから食えないと考えている
  12. 行政書士で食えないなら他の資格を取ればいいと考えている
  13. 預貯金がない
  14. リスティング広告を出そうとしない
  15. 売ることを悪いことのように感じている
  16. 見込み客を集めるのではなく、いきなり依頼をもらおうとする
  17. フロントエンド商品ではなく、いきなりバックエンド商品を売ろうとする
  18. 月に100万円だの年収1千万円だの金額ばかり気にする
  19. 今月の収入など、目先のことばかり気にする
  20. 販売方法を安売りしか思い浮かばない
  21. ホームページやチラシに顔写真が載せられない
  22. 何事も継続できない
  23. 新しいことにあれこれ手を出す

などなど、ちょっと厳しい言葉が並んでいますが、私もそうでしたけど、いくつかでも当てはまっていたら一度これらの逆をやってみてください。

お客様から依頼されるには?

激安、格安以外で、お客様から依頼されるということは、あなたがお客様から信頼を得ているということです。しかし、お客様から信頼を得るには相当な時間がかかります。

ホームページを見てお問い合わせをしてくれるお客様は、
「高いお金を取られそう」
「しつこく営業されそう」
「しっかり期限までにやってくれるのかな?」
など、あなたのことを少なからず不安に思っています。その不安をいかに払拭して信頼を勝ち取るか、それには相当な時間がかかるのです。

では、どうやって信頼を得るのかというと、それは頻繁に連絡をとることです。

例えば、無料小冊子や無料レポートなどをホームページで発行して、ダウンロードしてもらい、その後にお客様にとって有益なメルマガを継続して送ります。こうすることで最初は一方通行かもしれませんが、そのうち心温まる返事をくれる様になるかもしれません。

そして信頼を得ると、お客様が何かで悩んだときや困ったことがあった時に、あなたの顔が浮かび「一度相談してみよう」となるのです。そう、メルマガを送る相手がいれば、それこそが見込み客なのです。

そのうち、沢山の見込み客が集まり、その中で営業をすることにより、他の士業との差別化にもなり、あなただけのサービスが売れるようになるのです。
だからこそ、いきなりサービスを売るのではなく、ホームページで無料小冊子などをプレゼントして見込み客を集め、その中であなただけのサービスを売るのです。

こうすることで、同業者との価格競争に巻き込まれることもなく、安定してサービスを販売出来る様になります。間違っても、いきなり売ろうとしないことです。人は売られる行為は好きではないですからね。

見込み客を集めるということは、あなたのサービスをお客様の方から来てもらい、あなたのサービスを売り易くするためです。

見込み客を集める以外に依頼をもらうには?

サービスを売るのは本当に難しいことですが、私の知人がしたことは、税理士さんにお客様を紹介してもらうこと。

その方の場合、何人かの税理士さんと懇意にしてもらい、建設業許可の仕事を紹介して貰っているそうです。税理士さんは企業相手の顧問が多いことを考えれば、建設業許可の仕事があるのも頷けます。

ただ、税理士さんも行政書士会に登録さえすれば行政書士の仕事ができるので、ライバルだとダメですが、あまりそのような方は見かけませんので、いちど挨拶に行ってみたらいかがでしょうか。ちなみに、その知人の行政書士さんは、建設業許可専門事務所として、今では補助者を2人雇って忙しくしているそうです

何でもいいは、何でもいいわけではない

お客様の中には、たまに「何でもいいから早くやって」とか「分からないから好きにやって」いう人がいます。

でも、それを嬉しく真に受けて、こちらの都合良くやってしまうと、終わった後に「実は・・・、これも・・・、あれも・・・」と続きます。そう、お客様の「何でもいい」は実は「何でも良くなかった」のです。そんな時は本当、がっくりきます。

ただ、そのようなお客様こそ、実は良く話を聞くと沢山話してくれるのです。もしかしたらお客様は私のことを試しているのかもしれないのです。そこら辺の気持ちを上手く汲み取って話を聞くと物凄くスムーズに話が進みます。

お問い合わせがあっても、なかなか成約しないという方は、ぜひお客様の気持ちを汲み取ってみてください。きっと成約率があがります。

行政書士法人には敵わない?

ある行政書士さんが言いました。「Googleで検索すると大手の行政書士法人ばかりが上位なんだよね」

私自身、そんな意識は持っていなかったのですが、Googleやyahoo!検索で「業務名+地域名」で検索すると、その行政書士さんが言う通り、結構な確率で行政書士法人がリスティング広告、自然検索とも上位を占めているのがわかります。さすがに法人だけあって、マーケティングも得意、広告費もあるという状況だと推測されます。

それで、その行政書士さんが「こんなに上位に行政書士法人ばかりじゃ、依頼が来るわけがないよ」と言うのです。

正直「なんだかなー」って思いました。考えてもみてください。一般のお客様は、行政書士のことはほとんど知りません。ましてや個人か法人かなんて気にする人は多くはないと思います。あなたが行政書士になる前に、個人か法人か、なんて気にしたことがありましたか?

行政書士法人がライバルと思えば、SEO対策をしっかりして、ブログを書き続けるなどして、検索上位になるようにすればいいだけのことです。

あとは、お客様があなたの記事を読んで感銘を受けて依頼するかどうか決めるのです。法人が相手だから、とても無理だなんて、やる前から敵前逃亡していてはいけないのです。

個人事業には「上司への相談がいらない」、「自分で直ぐに決定できる」、「小回りが利く」、「直ぐに行動できる」など、個人事業のメリットが沢山あります。法人には敵わないという前に、個人事業のメリットを生かして集客して下さい。

一人の人に頼り過ぎないようにしましょう

世の中、神様のような方は必ずいらっしゃいます。あなたのビジネスに共感をもって協力してくれる、仕事を回してくれる、きっとそのような方があなたにも存在してくれます。

でも、それでその人にばかり頼りきってはいけません。仕事は「自分で獲得する」を基本に、頼り過ぎないようにしましょう。なぜなら、その方がいなくなったらどうするのですか?その方が他の人に共感して振り向いてくれなくなったらどうするのですか?

どんなに仕事をくれても、どんなに仲良くしてくれても、その人ばかりに頼ったビジネスをしていると、あとで必ず困ることになります。そうではなく、ビジネスをしていく上で、色々な方と知り合い、本当に信用できる人を数人見つけ、数人の方とパートナーとしてビジネスを手掛けるのです。こうすることで一人に頼るビジネスのリスクを減らすことができます。

類は類を呼ぶと言います。長い時間をかけて、相手に自分が信頼できる相手と分かってもらえば、あなたにも同じように信頼できる人達が集まってきます。そして数人の方とパートナーとしてビジネスをするのです。